BOND
病室のドアは開いたまま。




私たちが入ろうとしたそのとき。




「裕。大好き。」


「「っ!」」




私たちは入るのをやめた。





友…今…。





武藤くんは何も言わず静かに去った。





私はどうしようか迷ったけど、武藤くんを追った。





「武藤くん!」




武藤くんは歩くのを止めない。






武藤くんは病院を出て止まった。





「武藤くんっ…。」



「…帰るぞ。」



「っ…。」





武藤くんは怖いくらい、優しい笑顔で言った。





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