BOND
新学期が始まり、私たちが友と過ごすことはなくなった。





なぜなら、本倉くんが友にべったりだから。






昼休み




「あれじゃ、友が可哀想だよ!」


「どうやったら記憶喪失って治るんだ?」



吉瀬くんと私は首を傾げた。




もう一度衝撃を与えたら戻るとか聞いたことがあるけど…。





そんなことできないし‥。





「あ!みんなで花火しない!?」


「この季節に花火なんて売ってないだろ。」


「じゃあ…大阪行くとか??」


「無理に思い出させなくていい。」




静かに武藤くんが口を開いた。




「どうして!?このままじゃ友はあいつにとられたままだよ!?」


「あいつの辛い過去も思い出させることになる。」


「「‥。」」




確かにそうだけど…。




友は‥こういうとき、どうしたいって言うだろう…。
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