BOND
「何も言わなくていい。帰ろう。」



俺は越智の手を引き、歩いた。





ごめん。越智。





俺やっぱり諦められそうにない。






俺の心臓は早くなる一方だった。






越智の家に着き、手を放した。





「じゃあ。」


「あ、武藤くん!」


「ん?」




歩き出そうとした俺に越智は俺の制服を引っ張った。





「あ、あの…。」



「どうした?」




俺は越智と向かい合い、目線を合わせた。




「私と前にキスしたこと‥ある?」



「…あぁ。あるよ。」



「っ‥!」



「おやすみ。」
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