BOND
「もう顔も見たくない!」


「友、待てって。」


「いやっ!」



越智は教室を出て行こうとする。




でも本倉がそれを止めた。




「お前に止める権利ないだろ。」



俺は本倉を睨んだ。




「お前は黙ってろよ!」


「お前さ、裏切られた奴の気持ちってわかんないだろ。」


「っ‥。」


「どんだけ苦しいか、どんだけ自分を見失いそうになるか。‥考えてみろよ。」


「…。」


「それに、恋人のふりして楽しかったか?」


「…。」



本倉は力なく机に座った。



「記憶はなくても、越智は越智だ。見てて辛くなかったのかよ?」


「…。」


「武藤くん‥。」




越智は俺の制服を握った。




「こいつの気持ち無視して、振り回してんじゃねぇよ!!!」





俺は机を思いっきり蹴っ飛ばした。



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