BOND
大きな音を立てて倒れる机。




周りがざわめいた。




俺は何も言わずに越智の手を引き、教室を後にした。




「武藤くんっ‥!」





イライラする。





ゆかりとダブって見えた。





しばらく歩いて我に返った。




「悪い‥。」



俺はそっと越智の手を放した。




「ううん。…武藤くん‥。」


「悪い。一人にして。」




俺は越智を置いてその場を後にした。





落ち着け俺。




過去のことだ。




過去の…。
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