BOND
快がそんな有名な会社の息子なんて知らなかった。




きっと快ファンですら知らないんじゃない?




全然聞いたことないもん。






快が家のこと話さないのには理由があるのかもしれない。





「ねぇ、快。」


「ん?」


「快の夢って何?」


「音楽制作。」


「え‥?」


「曲を作る仕事だよ。」




快の表情はイキイキしていた。




「今も作ってたりするの?」


「少し。でもまだまだだよ。」


「聞きたい!」


「おいで。」




快は私の手を引いて、部屋を出た。




そして1階に降りて、一つの部屋に入った。




そこにはグランドピアノがある。




快はピアノの前に座った。



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