BOND
放課後



俺は社長室にいた。




「父さん。」


「座りなさい。」


「はい。」





俺は父さんと向かい合うように座った。





「快、お前にはやはりパリに行ってもらう。」


「どうしてですか!兄貴が行く予定では!?」


「‥秀の奴、本気で結婚したい相手が見つかったと言い出した。その子を置いてパリには行けないと。」



「兄貴がっ‥ですか‥?」




結婚なんて興味すらない兄貴が‥?





どうして急に。




「相手はどんな人か話さないからわからんが‥。」


「父さん、俺の夢が本気なのは証明したはずです。」


「わかっておる。でも今でなくてもできるだろ。」


「っ‥父さん!」





父さんは社長室を出て行った。






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