BOND
「俺を呼び出して何の用?」


「座れよ。」





俺は黒皮調のソファに座った。





兄貴はテーブルを挟んで向かいに座る。






「快、今回は抵抗しないのか?」





パリ行きの話か。





「しても無駄だからな。」


「へぇ。前は夢があるからって言ってたのにか?」


「…。」


「お前にはそれだけじゃないだろ?」





兄貴はクスッと笑った。





「彼女と別れるってことか?」


「何が言いたい?」


「別に?」





ニッと笑う兄貴に腹が立つ。





その時兄貴の携帯が鳴った。




「はい。」

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