BOND
裕はクシャッと笑って私の頭を撫でた。



「じゃあ、またな。」


「‥うん。」



裕はゆっくり私の手を放した。





私は目頭が熱くなった。




裕の背中が見えなくなるまで、私は泣くのを我慢した。





私は裕を見送った後、家に入り、泣き崩れた。





今まで一緒にいたのに、もう会いたいよ…。







「ふっ‥うぅっ…」




裕、行かないでって言ったら、裕はどうしてた?





今、追いかけて行って、行かないでって言ったら、裕はどうする?





ダメ。




私は首を横に振った。




考えを吹き飛ばすかのように。
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