BOND
「快の夢は本気だって父さんは認めた。でも俺は認めなかった。」


「…。」


「俺らは父さんの息子。会社を継ぐのは当たり前だって思ってたから。」





秀さんは遠くを見つめた。





「だからムカついて友美をここに―――――。」



「…。」






だから初めてここに来たときムカつくからって言ったんだ‥。







「俺は快が羨ましかっただけなのかもな。」



「…。」



「嫉妬した。何でも手に入れる快に。俺は父さんの跡継ぎしか頭になかったから。」



「‥秀さん‥。」





秀さんはゆっくり私の方を見た。





「申し訳なかった‥。もうここに来る必要はないよ‥。」


「っ…。」


「今日友美のお母さんには説明した。」


「…。」


「帰ろう、送るから。」


< 421 / 432 >

この作品をシェア

pagetop