BOND
私たちは入学式のため、体育館へ向かった。



「友今日暇?」


「うん。」


「デートしよう。」


「いいよ。」



入学式は順調に行われた。



私は寝ていたけど。




席についてからの記憶がない。




寝過ぎたかな。



ま、いっか。




教室に戻るとみんなが騒いでいる。



「ねぇ、明、そんなに式楽しかった?」


「…。」



明は私を見つめたまま固まった。



「友、式出てたよね?」


「一緒に行ったじゃん。」


「…友って天然?」


「いや。何で?」


「…。」


明は首を傾げてじっと私を見る。



「何??」


「‥みんなが騒いでんのは、新入生代表の武藤快(むとうかい)くんのこと。」


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