BOND
「い、今電車の中なの‥。」


「大阪に行ってんの?」


「ううん‥帰ってるの。」


「何時に着く?迎え行く。」


「っ…えっと、8時半くらいかな‥。」


「わかった。」






武藤くん‥。



私は携帯を見つめた。




私は唇を噛んだ。







武藤くんの前では笑わなきゃね‥。





裕のことは夢だ。きっと…夢。







うん。






「っ…。」




私は窓にもたれかかって外を、ただ見つめていた。







だんだん慣れた景色になってくる。






私は深呼吸をして電車を降りた。
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