BOND
ホームには武藤くんが立っていた。



「武藤くん。」


「越智‥。」


「ん?」



私は無理に笑顔を作って武藤くんを見上げた。




「泣いた?」



そう言って私の頬を優しく包み込んだ。





「っ‥そんなことっ…。」



「来い。」



武藤くんは私の手を引いて歩き出した。




メイクし直したのにな‥。





簡単にバレちゃった…。







武藤くんは近くの公園に入った。




「武藤くん?」




武藤くんはゆっくり止まり、私を見た。





「越智、俺がいる。」



「えっ…?」
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