青春途上中〈2〉
「Sな伊崎も好きだけど、優しくしてほしいな」

両手を握って傾げた。

「あ?」

C組の生徒は、あの篠原が意外なポーズに目を見開いていた。

伊崎だけがゴミを見るような視線だった。

「…って、祥太が言えって松橋は祥太に言ってくれって」

無言に立ち上がり教室を出ていった。

「篠原、今の可愛かったから、もう一回して」

入れ替わるように真山が近付いた。

「嫌に決まってんだろ」






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