青春途上中〈2〉
「行くぞ」と裕太が言うと取り巻き連中は、ゾロゾロと裕太の後ろを歩き出した。

皆が引いていく中、ある男は睨んでいる、いや、見ている。

「お前、こらァ!」

「てめぇもここの奴だったのか!!!」

松橋の発言に伊崎は目を見開いた。

「世話になったな」

その男は真っ直ぐ、松橋の方へ歩み寄った。

「…いや、ああ…」

伊崎を見れば怪訝な顔をして怒気が、びしびしと伝わってくる。






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