青春途上中〈2〉
瞼が振るえて覚醒する。
腕を上げて見れば赤い痣が、くっきり残っている。

「い…ざき…?」

視線だけで伊崎を探す。
ソファーに腰かけている。

背中しか見えないが、ツンっと匂う匂い馴れた煙草。

松橋は伊崎を見つけて安堵する。無理矢理、体を起こして伊崎の隣に座る。

「今から御飯作るな」

「いらねぇ」

「伊崎…?」

手を引っ張られ先程と、うってかわって優しく抱き締められた。







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