メルト
「馬鹿なこと言わないで下さい。そんな関係求めてませんので」
先生は少しシュンとしてまぁな、って言った。
「とりあえずこんな所に居すぎんなよ?そしてたまには学校に来なさい。待ってるから」
そして先生はゲーセンから出ていった。
あたしは先生の言うことを聞く気になれずにまだゲーセンにいたかった。家は独り暮らしだし、特に早く帰らなきゃいけない理由なんてないし…


―――――――――――――――次の日の朝、あたしは珍しく学校に行こうと思っていた。
「別に昨日先生に会ったからじゃないし」
テレビの音をBGMにして制服のボタンを締めながら独り言を呟いてしまう…
「待ってるなんて言われたからじゃないし」
こんなに独り言が多いのは久しぶりかもしれない。
朝ご飯のトーストをかじり、少し甘めのココアを飲んであたしは急いで家を出た。気づいたら時刻は8時15分になっていた。……遅刻するっ!!!

ダッシュで急いでいる時に限って赤信号に引っ掛かる。腕時計の針は8時20分で遅刻は8時30分から…だからあと10分しかないのに…!!
「おはよっ!!」
目の前に車が停まって沢山先生が窓から手を振った。
「遅刻しちゃうぞ〜♪急げ!!」
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