メルト
先生side

やっぱりさっきのはまずかったか…バレるよな!?
俺は教師としてではなく、1人の男として、生徒の黒澤柚芽が好きだ。
だからつい…柚芽に優しくしてしまう。さっきも教師としてあまり好ましくない事をしてしまった。誰かに見られてたら、俺だけではなく、アイツの将来だって変わってしまうかもしれない。
さっきまで柚芽がいた助手席を見つめる。

「前にはこんな気持ち無かったのにな…馬鹿だな、俺」

そっと手を助手席に置いて自分の軽率さを反省した。

キーンコーンカーンコーン…

ホームルーム始まりの予鈴が鳴って、車から急いで出ると職員玄関に急いだ。
つか…もう遅刻だな。
でもそれが柚芽によるものだとしたら…悪い気もしない自分がいた。

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