甘きゅん【完】
つーか、リモコンならそこにあるでしょ!


デンと大きなソファの目の前、ガラステーブルの上に、ちょこんと可愛らしく乗っかってるでしょ!


んなの、ちょっと手を伸ばせばとれるじゃん!!


そんなことぐらい自分でやってください!


つーか、あたしをナメるのも大概にしてよね―っ!!


むき―っと、歯を見せて威嚇するあたしを、切れ長の涼しい目元を緩ませてフッと笑い、


「この包帯は。
いったい誰のせいだったかな?」


白い包帯を巻いた右手をあたしの目の前にスッと掲げ、


「痛くてリモコンさえ手にとれない」


眉をしかめて、小首をかしげる。

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