甘きゅん【完】
おまけに、奥沢准の微かな動揺につけこんで、


「あたし、成瀬みゆ。
自分で言うのもなんなんだけど。
こう見えても、かなりの腕前だよ?」


なんて…。


隣であたしの制服を引っ張る、幼なじみの中川司の手を振り払って、自分を売り込む。


だって、あたし。


入学以来、ずっと。
奥沢准のことが好き、なんだもん。


入学以来、ずっと。
話す機会を窺ってたんだもん。

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