甘きゅん【完】
もう、聞きたくない。
もう、やめてっ!


幼なじみの気安さから、背伸びして、司の頬に軽いパンチをあてて、


「っさいなー!!
見とけよ?
今回は、絶対、やってやるっ!」


なんて、カッコよくタンカをきってみる。


けど、


「本当かぁ~?」


なんて言う司の目は、心底あたしを疑っていて…。


「なんでも3日坊主の“あの、みゆ”に、出来んのか
結局出来なくて、
『ケガしちゃった。てへっ』
とか、手首に包帯巻いたまま、頭かいたり、しねぇだろーなぁ!」


そういいながら、さっきのパンチのお返しとばかりに、あたしのほっぺを摘み上げる。


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