甘きゅん【完】
時折ちらちら、俺の様子を窺うように振り返る柚月のぴょこぴょこ揺れる、ひとつにくくった髪を見ながら――…


「まぁ、いいか。
俺が素直にしてやればいいんだから」


くすっと、口端をあげて笑う。


そんな俺の様子に、


「ねぇ、颯斗―っ。
あたしの話、ちゃんと聞いてる?
冬休み、颯斗に会えなくて寂しいって言ってるのぉ!
ねぇ、遊びに行こうよぉ!」


俺のまわりでは、ぴよぴよぴよぴよ女がうるさい。


でもさ?


これも、悪くないんだよな?
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