甘きゅん【完】
「柚月はもう、俺のものなんだから。
俺にしか見せない、柚月の顔ってやつを見せてみろよ」


心も体もとろとろにとろけた――…


「俺にしか聞かせない、柚月の甘い声ってやつを――…
聞かせろよ」


――幸せそうな、柚月の顔が見たいんだ。


そんなことを言ってるクセに。


意地悪も、芸能界も、学校でのアイドル気取りも――…


全部全部、君のため。


そんなことを思ってるクセに。


実のところ、全然違っていたりして。


そう、すべては、俺のため。
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