君が傍にいるから
嫌いになった
朝、だなぁ。
小鳥がチュンチュン鳴いてる。
なんて清々しい朝なんだろう、なんて、嘘でも言えないわ。そんなこと。
だって夢に、あいつが出てきた。
隣の家に住む幼なじみの黒木直人が。
そうか、私、あいつのこと、クロって呼んでたんだっけ。
もう何年も言葉を交わしてない気がする。
もっと言うと、名前なんて中2の頃から呼んでない。
ちなみに今は高2。
まあ、昔は親しい間柄だったわけだけど、今となっては他人同然なわけだ。私にとっての黒木直人は。
綾さん(黒木母)の肉じゃがは、昔から変わらずおいしいけど。
「あ、もうそろそろ準備始めないと。」
遅刻してしまう。
急いで髪をといたり色々しているのは、
仲沢皐月という平凡な女である。イコールわたしなわけだけど。