恋する事件簿【完】
夕陽から那維斗に、視線を戻した。



「芽依実は、昔ながらのが、可愛かった筈やで」



「え…?」



「無理に主任に近付かんでえぇ。
辛い時は、俺が居ったるから」



「うん――…」



良い人に出会えた。

きっと、父親よりも素敵な人。

母親は、“北斗の方が、何倍もカッコいい!”なんて、私にライバル視するだろうけど。

―――刑事を目指したのは、両親の背中を追っただけ。

でも、やり甲斐を体いっぱいに感じてる。

これで終わりじゃない。

私の戦いは、まだまだ続くんだ。

母親になっても。

きっと、ずっと。



      第1部-Fin-




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