恋する事件簿【完】
「どうした、芽依実」



兄貴が心配そうに近付いて来た。

私は隠れ場所を探した。

進は人を捜すのが得意。

どこかの組に入ったのは、噂で知ってたけど、まさかいきなり…。



「芽依実ー!!!!」



怒鳴り声が、フロアに響いた。

昔から、血の気が濃い。

キレさせたら危険だと、担任も逆らわなかった男。

私は父親の方に逃げながら、小さく丸くなった。



「さっき会ったな?山下芽依実はどこだ」



「…あ…あちら…かと…;;」



…何でバラすかな…。

私は諦めて、父親も隣に居るからと、立ち上がった。
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