恋する事件簿【完】
「何だよ、貴様」



「てめぇの元カノが、愛する男やろか」



那維斗は“元カノ”の部分を強調した。

進は「何だと?」と、聞き返してる。

…本当にツンボかも。

私は那維斗と居ると、強くなれるんだ。



「帰って」



「あ?」



「帰れって言われたんや。さもねぇと、公務執行妨害で捕まえんで?」



那維斗が手錠を見せながら言う。

進は私たちの間を通り、出て行った。

軽く突き飛ばされたけど、那維斗に腕を掴まれ、転倒はま逃れた。



「あいつ。意味わかんねぇな」



兄貴がそう言って、椅子に座った。
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