恋する事件簿【完】
坂田が「本当にな」と、同情しながら、母親にお茶を渡した。



「あ、ありがとう」



「苺愛、大丈夫か」



「大丈夫。足腰が弱ったのかな?北斗より若いのにー!」



私は唇を噛み、進をシメると決めた。

反省させる。

そんな姿を、井川がニヤニヤと見てるとは気付かなかった。

―――人生で怖いのは、近くに敵は潜むという事。

私のすぐ傍に居た井川は、凄い敵だった。



「仕事しよっか」



「ん」



けど、悪は必ず見破られるんだ。

一つの事件に、目撃者は1人、必ず居る。




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