恋する事件簿【完】
「あ、坂田。この前の資料わかりやすかった。ありがとう」



「良いけど…めいちゃんが変わった理由、難波だったんだ」



「さぁねー?」



私は焦らしながら立ち上がり、生活安全課の人に依頼書を貰いに行く。



「由良さん、これお願い」



「はい。…ねぇ、大丈夫?
やりにくいんじゃない?」



あれから時間も経ち、由良さんも一人前に動けるようになったせいか、仲良くなれた。

私はネイルを施した爪を弄る井川をチラッと見ながら、「大丈夫だと思う…」と返した。

そう思ってないと、シンドイ。

辛いんだ。
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