恋する事件簿【完】
第2部 ②〜火傷〜
あれから何分が過ぎただろう。
放水も意味がない。
「圭、本当に避難は完了したの?」
そこに母親が現れた。
「ちょっと、叔母さん!!」
「私は、大丈夫。だけど…胸騒ぎがするの」
母親の勘は、当たってる事が多い。
けれど、“胸騒ぎ”=逃げ遅れが居る事なのだろうか。
「出動おめでとう…ヤダ、パパったらぁ!」
携帯を片手にはしゃぐ井川の方が気になる。
「あのさ。刑事は野次馬じゃないんだけど」
私は井川に注意をしに行った。
これは警察の信頼を失う行為にも繋がるからだ。