恋する事件簿【完】
「だって山下さん!パパが祝福してくれたからぁ!」



ーードンッ

いきなり“キャーキャー”騒ぎながら体当たりして来た井川。

私は「うわっ!」と、ビルの方に押されてしまった。



「危ない――ッ!!」



誰かが遠くから叫ぶ。

頭上から、バン…ッと聞こえて、空を見た。



「「「芽依実――ッ!!;;」」」



何もなかった空に、ガラスや火の点いた瓦礫が待ってる。



「芽依実ぃ゛ーー!!」



那維斗の声が、遥か彼方からの声に思えた―――……。




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