恋する事件簿【完】
ジャケットのポケットから煙草を取り出し、1本、銜える。

火を点けると、紫煙は虚しく宙を舞い始めた。



「今日、通子さんと呑みに行くけど来る?」



「今日は夜勤です」



「復帰早々、ハードだね」



由良さんが私の隣に来る。

知り合った時は、こんな日が来るとは思わなかった。

出会いって、不思議。

両親の出会いも。

私と……那維斗も。

…はぁ。

那維斗への未練は相当、残りそうだ。




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