恋する事件簿【完】
私はどうでも良かったけど、お祖父様の元秘書の人が、手続きしてくれたんだ。

さすがに無線は、ごちゃごちゃするから付けなかったけど。



「着いたね」



私と坂田は、頷き合って、車から降りた。

現場に入ると、「まだ近付かないで下さい」と、止められた。



「入らないと話せないんだけど」



「倒壊する危険があります」



「…そうですか。仕方ないですね」



坂田は遅れて来た兄貴の車の無線で、署に連絡を入れてる。

私は1人、耳を澄ました。

…何か聴こえる。

何かが…聴こえるんだ。

“ニャー…ッ”

猫、だ。
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