恋する事件簿【完】
私はいくつかの窓から、中を覗く。



「芽依実?」



うろちょろしてた私の異変に気付いたのか、那維斗が声を掛けて来た。



「猫が居る…誰かと居る」



独り言のように言うと、那維斗は「猫が?人が?」と、聞き返して来た。



「多分、両方。猫だけなら、逃げられた筈。もしかして…誰かが抱き締めてるのかも」



お互いにハッとした。

早く見付けないと、その人は助からない。



「伝えて来る」



「お願い…」



私はまだ火の手か弱い2棟目に近付き、中を覗く。



「誰か居ませんか?」



…お願い…。

返事をして。
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