恋する事件簿【完】
私は閉まってた窓を開けた。

“ニャーッ”

鮮明に聞こえた猫の声。



「ここだ…。おじいさん?おじいさんっ!!」



圭兄たち消防士を待たずして、部屋の中へ飛び込んだ。

猫を抱き抱え、おじいさんの足を引っ張る。



「おじいさん、すぐ助かるからね…あっ!」



しかし突然、猫が腕から飛び出した。

仏壇に座り、骨壺にスリスリと、体を擦り付けてる。



「その人もね…」



私は骨壺を窓の所に運び、近付いて来た猫を抱く。



「優しい子だね」



私は猫の頭を撫でてから、またおじいさんを運び出そうと、足を引っ張った。
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