恋する事件簿【完】
ーーバンッ

すると、窓が閉められた。

振り向けば、井川はニヤリと笑いながら立ってる。

井川の顔にかかる炎は、隣の部屋から飛び出した炎。

玄関を確かめに行けば、完全に火の海。

…逃げ場がない。



「嘘…っ」



ーーバリーンッ



「芽依実――ッ!!」



「お前、何で入ったんだよ!!」



諦めかけた時、那維斗と兄貴が来た。

私は思わず、那維斗の胸に飛び込んだ。

…助かった…。

助かったんだ。



「この子が…教えてくれて…」



2人の腕の中で、猫はホッとしたように、永遠の眠りに就いた。
< 148 / 336 >

この作品をシェア

pagetop