恋する事件簿【完】
「おじいさんとおばあさんを…命を懸けて守ったんだね…偉かったね…ッ…」



部屋から出たものの、私は猫を離せずに居た。

少し丸々としてる姿を思うと、大切に育てられてたとわかる。

動物を今まで飼った事はないけど、居なくなる寂しさが、一瞬にしてわかった。



「芽依実、帰るで」



那維斗が立ち尽くした私を呼ぶ。

猫を他の職員に任せ、私は那維斗にキーを渡し、助手席に乗り込む。

パトランプを取り込み、溢れそうな涙を拭う。

カッコいい。

飼い主思いの猫に、こんなにも感動するとは思わなかった。
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