恋する事件簿【完】
第2部 ⑤〜推理〜
“捜査依頼”の手紙。
兄貴に届いてたモノを、私と那維斗に回されたんだ。
井川が居なくなり、私は那維斗とペアに戻った。
「どうする?」と、那維斗に手紙を渡して、眼鏡のレンズを拭く。
視力が1.5から0.05に、大幅ダウン。
眼鏡屋で、“よく運転が出来ましたね”と、感心された。
「面白そうやん。本職の警部より先に解けたら」
…無理だと思う。
口には出さないけど。
手紙と同封された参考資料や写真を出し、デスクに並べて行く。
「被害者は40代の男性。凶器は出刃包丁で、首を切られた事により出血死。容疑者の候補は…3人」
何ともパッと来ない事件。