恋する事件簿【完】
きっとそれは、私が長身の人たちに囲まれてるせいだ。



「これより捜査会議を始める。
先ずは容疑者の身辺調査の結果を…松田ーマツダー警部」



「その必要はありません。
犯人逮捕には繋がりませんから」



「どういう事ですか?山下刑事」



進行役の人が、私に遮られて不服そうだ。

立ち上がり、持って来ていた定規を持ちながら、進行役に振り落とした。



「い、いきなり何ですか;;」



「私は右利きなので、左手で振り落としました。しかし…これだと傷と刃の向きが一致しない。それに前からだと避けてしまう。
よって、被害者より身長の低い妻と娘は、容疑者から消えた」



次に私は、進行役に背を向けさせた。
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