恋する事件簿【完】
「可愛いね」



「そうやな」



パパとサッカーしてる男の子。

ママにジュースを飲ませて貰ってる女の子。

私にも、こんな時間があった。

懐かしい気持ちになる。



「那維斗はどんな子供だった?」



ピクニックシートに座りながら、那維斗を見た。



「そうやな…。お袋にすぐ“なんでやねん!”て、どつかれとった」



想像が付かないと言ったら嘘になる。

でも、口数が少ない方の那維斗が、突っ込まれるほど、喋ったのだろうか。

私は「そうなんだ」って微笑み、那維斗の肩に、頬を寄せた。
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