恋する事件簿【完】
「今日はベッタリやな」



「たまには良くない?」



「まぁな」



ボールがこちらに転がって来て、取りに来た男の子が私たちに気が付いた。



「お姉ちゃん、ここ痛い?」



5才位だろうか。

男の子がしっかりとした口調で、私の頬の火傷に触れた。

マスクを忘れてたから、子供たちが見たら、怖い思いをさせるかと思ってた。



「お姉ちゃん美人さんだから、もう怪我しちゃダメだよ!」



「うん。ありがとう」



「じゃあ、パパが待ってるからバイバイ!」



「「バイバイ」」



男の子に手を振り、ご両親に頭を下げた。
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