恋する事件簿【完】
父親が朝から大きな声を出した私たちを睨みながら電話に出た。

母親が「北斗が怒った…」と小声で言うと、父親は「わかりました」と、早々と電話を切った。



「木ノ島小学校で立て籠り。
集会中で、用務員と業務員の3人以外、体育館で人質に取られてる」



「行くぞ。今日は俺も行こう」



叔父さんの合図で、私たちは課を飛び出した。

それぞれのペアで現場に向かう。



「何で小学校なんだろう…」



「小学校への恨みか、または他の理由か」



那維斗は鋭い目で前を見つめる。

…“他の理由”…。

子供たちに手出しをしなきゃ良いけど。
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