恋する事件簿【完】
私と那維斗は、それぞれ違う場所を見て咳払い。

父親は、「わかりやす」と呟き、私の荷物を持った。



「表に車を回しとく。芽依実は水川に会ってから来い」



「うん…」



「苺愛」



「あ、行こっか」



母親が父親に連れられ、手を繋ぎ、病室を出た。

私は先を歩く那維斗から少し遅れて、由良さんの病室へと向かう。

…許してくれるかな…。

ドアを見つめると、足が止まる。

ーーコンコンッ

那維斗は私を見ながらノックをした。

「はい」と出て来たのは坂田。



「めいちゃん、大丈夫?心配してたんだ!入ってよ」



坂田を許可してくれたとはいえ、由良さんは良いのだろうか。
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