恋する事件簿【完】
坂田に背中を押され、病室に入ると、由良さんは「起きたー?」と、笑顔で迎えてくれた。

手術したというのに、もうベッドを起こして座ってる。



「ねぇ、聞いてくれない?」



「今、言う?」



「当たり前じゃない!幸せな報告ですから!」



由良さんはニヤニヤとして、私たちを見る。

那維斗は「キモいで?」と、笑ってソファーに座った。

由良さんは「年下が生意気じゃない?」と、ぷくーっと頬を膨らませる。



「由良さん…」



私は謝ろうと、声を掛けた。



「え…?」



しかし、「じゃじゃーん!!」と左手を見せて来た。
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