恋する事件簿【完】
「真世さん…でしたか。その子の父親は、守優なんですか?」



父親が真世さんに問う。

真世さんは、「まさかー」と、首を振った。



「世紀の父親は、入籍する直前に捕まったんですよ。私がキャバしてる時のお客で。ヤクザだったんで、暴行や恐喝で」



「そうか」



「でも気にしないで下さい。
あいつに未練は全くないんで」



誰もそんな事は聞いてないんじゃないんだろうか。

私は唐揚げを揚げながら、那維斗を見た。

那維斗はお味噌汁を混ぜてる。



「守優は、世紀君のパパになるのか?」



父親が兄貴に声を掛けた。

すると、「“パパ”!?」と、すっとんきょな、声を上げた。
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