恋する事件簿【完】
「付き合ってるんでしょ?」



母親が改めて訊くと、兄貴は首を振り、真世さんは「はい」と言った。

…え?

どうなってるわけ?



「俺、フリーだけど」



「真世さんは彼女じゃないのか?」



「はッ!?;;
真世は面倒見てるだけ。世紀の父親を、2人の前で捕まえて。“頼みます”と言われたから、男の約束とやらで」



「「「え…?」」」



両親と真世さんを他所に、兄貴は「ビールおかわり」と呑気だ。



「意味わかった?」



私は那維斗を見上げた。

すると那維斗は、「思わせ振り」と、先輩に対して、はっきりと言った。
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