恋する事件簿【完】
「いつも2人で飯だろ?食べて行け!」



「…や、帰りますよ」



真世さんは自分の勘違いにショックを受けたのか、世紀君を抱き上げて立つ。

父親は「気を付けて」と言って立った。

どうやら見送るようだ。



「もー。勘弁してよ!別れさせようと、冷たくしちゃったじゃない!」



「俺は、我が子を抱かせるから」



ちょっと照れ臭そうに言う兄貴。

戻って来た父親が、「彼女が出来たら言え」と突っ込む。



「難波、もう来いよ。ついでにビール」



…那維斗は召使いか!

私はゴンッと音を起てながら、兄貴のビールをテーブルに置いた。
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