恋する事件簿【完】
第1部 ③〜夜勤〜
深夜2時を回った。
静かな署内。
私は難波・速水と夜勤中。
欠伸をしながら短くなった煙草を消して、お茶を飲んでると、速水と目が合った。
「何?」
「ん、まぁ…」
…はぁ?
何か言いたそうな速水。
私は頬杖を突きながら、「だから何」と訊く。
「…言いにくいんやけど、親友が亡くなっても、人は変わるんやな」
「どういう意味?」
“深夜が亡くなっても、人は変わるんやな”?
…私の何がわかるの?
親友が…、郁ーイクーが自分のせいで死んだって事が、どれだけデカイか。