恋する事件簿【完】
『主任か苺愛さん、どちらかこれから出れるかな?』



「すいません。2人とも呑んでます」



『そうなの…?』



通子さんは『どうしようかな…』と、呟いた。

私は「何かありました?」と聞いた。



『工事現場で火災。今、来たんだけど、管轄を跨いでて、“上司同士で話す”って、私と坂田君じゃダメだって。課長は本庁で会議で…』



私は母親を見た。

私が時間を稼げば、大丈夫だろうか。



「今から行きます。母親は後から来させるんで」



『お願い』



私は電話を切り、携帯と財布。

兄貴の車のキーを手にした。
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