恋する事件簿【完】
もはや話し合いの雰囲気はなくなった。



「山下芽依実刑事。貴方にとって、刑事は何ですか?また、刑事課について、話して下さい」



1人、黙って座ってた私に、査問委員会のおじさんが訊いて来た。

…“刑事”とは。

“刑事課について”。



「大好きで、憧れの両親に近付ける、魅力に溢れたの仕事だと思います。
で、木ノ島刑事課は、どこにも負けない団結力と強さがある、最高の場所です」



「芽依実ぃー!!」



私に抱き着いて来た母親。

天然で、無茶ばかりの母親。

自信と誇りに満ちた父親。

父親の背中ばかり見てる兄貴。

3人が居たから、刑事を目指した。

刑事になれた。

私はこれからもここで、“刑事”を続けるよ。



     第2部 -Fin-



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